「最近…仕事へのモチベーションが上がらない」 「与えられた最低限の業務だけこなして定時で帰りたい」「がむしゃらに働くのがなんだか馬鹿らしくなってきた…」
そんな気持ちを抱えているならそれは「静かな退職(Quiet Quitting)」と呼ばれる働き方かもしれません。
「静かな退職」とは会社を辞めるわけではなく昇進や昇給を積極的に追い求めず与えられた最小限の仕事だけをこなす働き方のこと。
これは単なる「仕事の手抜き」なのでしょうか。 それとも変化する社会の中で生まれてきた自分らしく働くための新しい選択肢?
この記事では「静かな退職」がなぜ今注目されているのかその背景にある社会の変化やこの働き方がどんなメリット・デメリットをもたらすのかを掘り下げます。もし「静かな退職」の状態にあると感じているなら次にどんなことを考えどう行動すれば良いのかそのヒントをお伝えします。

「静かな退職」ってどういう状態?もしかして私も?

「静かな退職」はアメリカで生まれた言葉ですが今や日本でも話題ですね。具体的な行動としては以下のようなもの。
この働き方は、よく「必要最小限だけ頑張る人」や「あまり積極的に参加しない人」といった感じで分けられたりします。
昔は「会社人間」のように長時間働いて会社に全力を尽くすのが当たり前とされていましたが今は違います。むしろ仕事と私生活のバランスを大切にして自分らしい生活を送ることを重視する人が増えています。
もしかしたら「そういえば私もそうかも?」と思い当たる部分があるかもしれません。意識してそうしているわけじゃないけど、なんとなくそんな働き方になっているのかも。
「静かな退職」の広がり
GPTW Japanは2024年12月、20~59歳の企業勤務者13,824名を対象に静かな退職に関する調査を実施。データによると興味深いことに「静かな退職」という働き方を選ぶ人が徐々に増えてきているんです。

とくに目立つのが25歳から29歳の若い世代と35歳以上の方。きっと、それぞれの年代で異なる理由があるのかもしれませんね。
なぜ今「静かな退職」が広まっているのか

この働き方が注目される背景には社会の様々な変化があります。
じつは「静かな退職」って今の社会や働く人たちの価値観が変わってきた中で生まれた新しい働き方のカタチ。
アメリカでは約59%もの人がこの働き方を選んでいるそうです。つまり、これは一部の人だけの問題じゃなくて世界中で広がっているトレンドというわけです。
「静かな退職」を選ぶメリット・デメリット

「静かな退職」にはそれぞれメリットとデメリットがあるかもしれません。自身の将来のキャリアや目指したい方向性について少し考えてみてください。
メリット:心にゆとりができ私生活が充実
最も大きなメリットは仕事のストレスが減ることです。最低限の仕事に集中することで心に余裕が生まれ仕事が終わった後の時間を自分のために使えるように。
「静かな退職」の大きな魅力は自分の時間を十分に確保できることですね。
デメリット:キャリアの停滞や孤立感のリスク
一方で長期的な視点で見るといくつかのデメリットも。

「静かな退職」は短期的には気持ちが楽になるかもしれませんが長い目で見ると仕事のスキルアップや心の健康に良くない影響を与える可能性も。
このテーマについて、とても興味深い本を見つけました。「今の働き方、これでいいのかな?」って考えている方にぴったりだと思います。

Quiet Quitting 静かな退職: 会社に残りながら最低限の仕事をするライフスタイル
「静かな退職」から学ぶ自分らしい働き方を見つけるヒント

今、「静かな退職」のような働き方をしている、あるいは「ちょっと気になるな」と思っていたらじつは自分の働き方や、大切にしたい価値観をゆっくり見つめ直す素敵なチャンスかもしれません。
「静かな退職」は決して悪いことではありません。むしろ「私にとって本当に大切なものって何だろう?」とじっくり考えるきっかけを与えてくれる特別な時間。
もし今「静かな退職」のような働き方をしているあるいは惹かれているとしたら、それは自身の働き方や人生の価値観を見直す大切な機会になるかもしれません。
「静かな退職」は単なる労働問題として片付けるのではなく個人が自分にとって本当に大切なものは何かを深く考えるきっかけを与えてくれます。
「静かな退職」をきっかけに自分の価値観に基づいたより充実した働き方や人生について考えてみることをおすすめします。
会社を辞めるかどうするか悩んでいる方は判断の基準を書いたこちらの記事をご覧ください。
企業に求められること:「静かな退職」は未来の働き方を再定義する機会

「静かな退職」という現象は働く個人だけでなく企業側にも大きな示唆を与えています。従業員のやる気が低下することは企業の「生産性資産」「活力資産」「変身資産」の低下につながり長期的に見て仕事の効率が下がったり優秀な人材が流出したりするリスクがあります。
「静かな退職」をただの問題として捉えるのではなく企業と社員が共に未来の働き方を再定義する機会と捉えることもできます。

会社と社員がお互いの気持ちを理解し合って仕事の楽しさや成長できる機会を大切にすることでみんなが笑顔で働ける職場を作り、もっと良いアイデアや成果を生み出せるんじゃないでしょうか。最近読んだ「静かに退職する若者たち」という本が参考になりました。
「退職代行サービス」を使う人が増えていることや「会社に対する不安な気持ち」そして「静かな退職」という新しい考え方まで。若い人たちの本音が詰まっています。経営者や人事部門の方にぜひ読んでいただきたい一冊。

静かに退職する若者たち 部下との1on1の前に知っておいてほしいこと
さいごに

「静かな退職」って私たちの働き方や生き方を見つめ直すチャンスかもしれないんですよね。ただ会社との関係を消極的にするんじゃなくて、むしろ自分らしい価値観で働くきっかけになるかもしれません。
「何のために働いて、どんな生き方がしたいんだろう」って考えるいい機会になりますよね。こういう問いかけに正直に向き合ってみると、きっと自分らしい働き方のヒントが見つかるはずです。