中間管理職やリーダーの皆さんは「チームに活気がない」「長年同じメンバーでマンネリ化している」と頭を悩ませていませんか。
新しい人が入ってくれば変わるのに…」と思っても、なかなか人員の補充や入れ替えは難しいのが今の職場のリアルですよね。
「メンバーを入れ替えずに組織を再起動させる」ヒントがサッカー日本代表のマネジメントに隠されています。
それが新たに守備担当コーチに就任した長谷部誠氏の「役割の微調整」と「現場への熱量注入」
今回は元人事の視点からサッカー日本代表の事例を交えつつ、明日から職場で使える「心を削られない賢いマネジメント術」をお伝えします。

職場のマンネリ化を打破!メンバーを変えずに組織を活性化させるマネジメント

「人が変わらないから組織も変わらない」と諦めていませんか。優秀な人材の定着と新陳代謝は両立できます!
「全入れ替え」ではなく「役割の微調整」が組織を救う
サッカー日本代表の森保一監督はW杯後もコーチ陣を大幅に入れ替えることはしませんでした。その代わりに行ったのが「役割の微調整」です。
職場でも同じことが言えます。長年同じ業務を担当していると、どんなに優秀な人でも仕事が「作業化」し視点が固定されてしまいます。
人を入れ替えるのではなく「今のメンバーのまま、役割を少しズラす」こと。視点が変わるだけで当事者意識が復活しチームに新鮮な空気が入り組織活性化につながります。
長谷部誠コーチに学ぶ!中間管理職の悩みを解決する「権限移譲」のコツ

管理職の悩みで非常に多いのが「若手に仕事を任せたいけれどベテランが抱え込んでしまって後進が育たない」という権限移譲の失敗です。
シニア・ベテラン社員を活かす「メインと補佐」の役割変更
日本代表では、これまで守備のメイン担当だった斉藤俊秀コーチが「若手に場を与えるべき」と引き補佐だった長谷部コーチがメインに昇格しました。
職場でこれを応用するならシニア社員から無理に仕事を取り上げるのではなく「メインとサブ(補佐)」の役割を逆転させるのが大人の立ち回りです。
前任者には「アドバイザー」や「バックアップ」として頼りにしていることを伝えつつ実務の決定権は次世代に渡す。
これによりベテランのプライドを傷つけずに若手の成長機会(ポジション)を創出できます。
マイクロマネジメントを防ぐ!部下が自走する「パッション」とリーダーシップ

「部下に任せたはいいものの、どこまで口を出していいかわからない」と遠慮していませんか?
細かく言い過ぎると「マイクロマネジメントだ」と嫌がられそうで、つい放置してしまうリーダーも多いはず。
テクニカルエリアの「パッション指示」に学ぶ介入の境界線
長谷部コーチはテクニカルエリアのギリギリまで出て選手の立ち位置や体の向きを大声で細かく修正しました。
森保監督はこれを「選手と一緒に戦い作り上げるパッション」と絶賛。
ここから学べるのは「権限移譲=放置」ではないということ。
普段は部下に任せて見守りつつも「チームの基準を下回った時」や「ここぞという勝負所」では、リーダー自らが最前線に出て熱量(パッション)を持って介入する。
単なる細かなアラ探し(マイクロマネジメント)ではなく「より良くするための熱意」を伴った介入であれば部下の心は離れません。
年上部下や優秀なメンバーを動かすコミュニケーション術

自分より社歴の長い年上部下や職人気質の優秀なエース社員に対して厳しいフィードバックをするのは気を使いますよね。
「凡事徹底」が信頼を生む!年齢や立場を超えた対話のコツ
長谷部コーチは実績十分な長友佑都選手に対しても「バックパスが多い。もっと前にプレーしなきゃダメだ」と厳しく指摘したエピソードがあります。
欧州組のトップ選手とも1対1で頻繁に対話。なぜ彼の言葉は素直に受け入れられるのでしょうか。
それは彼自身が毎日朝7時から練習場にいるような「凡事徹底(当たり前のことを徹底的にやる姿勢)」を見せているからです。
職場のマネジメントも同じでリーダー自身が誰よりも準備をし真摯に仕事に向き合う姿勢を見せているか。
その土台があって初めて相手の目線に立った対話やフィードバックが「納得感」を持って受け入れられます。
元人事がおすすめ!明日からできるマネジメント

メンバーを刷新しなくてもリーダーの少しの視点の工夫で、チームの空気は確実に変わります。
とはいえ、いきなり大がかりな組織変更をする必要はありません。明日から職場で試していただきたい「小さなアクション」を3つ提案します。
できそうなものから、一つだけ持ち帰ってみてください。
アクション①:「小さな業務」のメインとサブをひっくり返す
いきなり重要プロジェクトの権限を移譲するのはリスクも勇気も伴います。
まずは「日常の小さな業務」を一つだけ選びベテランと若手の役割を逆転させてみましょう。
- 具体例: 定例会議の進行役、週報の取りまとめ、特定の顧客への一次対応など。
- ポイント: 若手を「メイン(実行)」に、これまで担当していたベテランを「サブ(レビュー・アドバイザー)」に任命。「この件については、〇〇さんがメインで進めて私がサブに入るね」と宣言するだけで二人の当事者意識がガラッと変わります。
アクション②:任せる理由(パッション)を言葉にする
新しい役割を任せるとき、ただ「これお願い」と業務を渡すだけでは、ただの作業の押し付けになってしまいます。
長谷部コーチのように、あなたの熱量(パッション)を添えて渡してみてください。
- 伝える型(テンプレート): 「〇〇さんの【具体的な強み・経験】を活かしてほしいから、この役割を任せたい」 「もし迷ったり失敗しそうになったら【私がこうやってカバーする】から安心してやってみて」
- ポイント: 「あなただから任せる」という期待と「失敗しても守る」という心理的安全性をセットで伝えることが部下が自走するための最強のエンジンになります。
アクション③:現場での「1分間・即時フィードバック」
1on1ミーティングまでアドバイスを溜め込むのはやめて長谷部コーチがテクニカルエリアから声を飛ばしたように現場でリアルタイムに声をかけてみましょう。
- 具体例: 部下の電話対応が良かったら電話を切った瞬間に「今の切り返し、すごく良かったよ!」と伝える。少し行き詰まっていそうなら、その場で「ここだけ目線をこう変えてみたら?」とワンポイントだけヒントを出す。
- ポイント: 長々と指導する必要はありません。1分以内の「ポジティブな声かけ」や「ちょっとした軌道修正」をこまめに行うことで過干渉(マイクロマネジメント)にならずに現場の熱量を保つことができます。
いかがでしたか?
「リーダーだから完璧に指導しなきゃ」と、ひとりで頑張って戦おうとしなくて大丈夫です。まずは今のチームの「役割」をほんの少しだけズラしてみる。
そんな小さな実験を楽しむ気持ちで始めてみてくださいね。
