クマ被害のニュースが多く報道されていますね。私が住んでいる秋田県ではクマの出没が多く「ツキノワグマ出没警報」が発令されています。
この記事では、クマに遭遇したらやってはいけないこと・遭遇しないための準備や心構えなどクマを目の前で目撃した経験や行政の情報を元にまとめました。
いつでもクマに遭遇する可能性があります。登山やキャンプ、観光、釣り、ゴルフ場などクマ被害防止の行動に役立てていただければと思います。
熊に遭遇する可能性のある場所や時期
クマの事故や出没を防ぐためにはクマの生態や行動について正しく知ることが第一歩。春と秋が食べ物を探すため動きが活発になるといわれています。
秋田県のパンフレット(2024年3月リニューアル)ツキノワグマ (クマを知り被害を防ぐ)を参考にしてみてください。
もしも熊に遭遇してしまったら!
クマとの遭遇時には適切な逃げ方を知っておくことが重要です。クマから逃げるための基本的な行動はゆっくりと後退。距離別の逃げ方について説明します。
遠くに熊がいる時
落ち着いてゆっくり、その場を立ち去ることをおすすめ。クマは人の気配を感じたら隠れたり逃げたりします。もし気づいていないようなら様子を見ながらゆっくり後退しましょう。
急に大声を出したり突然、動いたりするとクマが驚いて、どう反応するかわからないから気をつけてください。
近くに熊がいるとき
まずは落ち着きましょう。クマは近づいてくるものに対して突進(ブラフチャージ)をする場合もありますが、すぐに引き返すことが多いです。
クマとゆっくり距離をとるとクマが立ち去ることも。クマは逃げるものを追いかける傾向があるのでバタバタと走って逃げないようにしましょう。
威嚇突進(ブラフチャージ)とはクマの行動特性で相手の様子をうかがいながら突進し、相手を威嚇(いかく)する行動です。
突然、目の前に熊が現れたら
驚かせてしまったり、大きな声を出したりするとクマが防衛するために攻撃してくるかもしれません。これは、クマが基本的に私たち人間を怖がっているからなんです。
怖がらせてしまう行動は、クマをパニックに陥れてしまい思わぬ行動を引き起こす可能性があります。クマを見つけたときは、クマがこちらを認識していることを理解しつつ、ゆっくりと後ろへ下がることがおすすめです。クマにとっての脅威を最小限に抑え安全にその場を離れることが可能に。
親子熊と遭遇
もしもハイキングやキャンプ中に親子連れのクマに出くわしてしまったら…
母グマは子グマを守るために思った以上に攻撃的になるかもしれません。これは母グマの子育ての本能で、私たち人間も同じように反応しますよね。
子グマが一人でいるように見えても、母グマが近くに隠れている可能性が高いです。だから、子グマを発見したときは安全のために近づかず、ゆっくりと…確実に離れましょう。
熊に遭遇したらやってはいけないこと
あわてずに、まずは、こちらの2つを思い浮かべてください。
走らない・背中を見せない
クマは逃げるものを追いかける習性があります。これは彼らの生き抜く戦略の一部。驚くべきことに、クマは最高時速60km/hというすごい速さで走ることができます。
これは私たち人間の走る速度をぐんと上回るもので、逃げようとしても無理かもしれません。クマに出会ったときは逃げるのではなく、ゆっくり後退しながら離れましょう。
大きな声を出さない(刺激しない)
クマと遭遇した場合、熊がパニックを起こさないようにするためには、何よりも大声を出さないことが重要です。クマは恐怖心や驚きから防衛的な攻撃をする可能性があります。
大声を出すことはクマにとって脅威となりストレスを与えてしまう恐れがあります。クマは人間を恐れているため、さらに怯えさせるとクマの行動が予測不能になり事態が悪化するかもしれません。
もしも熊が襲ってきたら
最悪の場合に備えて自己防衛策を取る必要があります。攻撃を受けた場合は、背中を丸め四つん這いになり急所を隠し手で首(頸動脈)を覆って防御態勢を取りましょう。
腕で顔や頭、耳を守り、すぐにうつ伏せになるなどして重大な障害や致命的なダメージを最小限にしましょう。地面からひっくり返されないよう踏ん張ってください。
クマによる事故では、首から上を守ることがとても大事。「命に別状はありません」と報道されていても、決して軽い怪我だと思わないでください。顔貌が変わったり、顔面に麻痺が残るなどの大変な事故も多く発生しています。もしもの時のために、防御姿勢で顔や首、頭を守りましょう。
クマ撃退スプレーや防御姿勢は最終手段です!
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熊に遭遇しないためにはどうしたらいいの?
残念ながら確実な方法はありません。登山者の多くは「熊鈴」と呼ばれる鈴を持ち歩いて音を立てながら歩いています。
鈴の音でクマを追い払うのではなく音を立てることで自分の存在を知らせることができればクマが先に遭遇を避けてくれるというものです。
でも最近では、この「常識」が通用しない状況。人工的な音には全く無関心なクマが増えてます。車やバイクの音にも無頓着で国道を横断するクマも多いです。
クマに遭遇しないためには、以下のポイントを心がけてください。
- 音を出す:クマに存在を知らせるためにクマ鈴や爆竹、サイレン、ホイッスルなどの音を出すアイテムを使用しましょう。クマは音に敏感で音が聞こえると近づかない可能性が高まります。
- 一人で行動しない: 可能な限り一人行動は避けましょう。グループでいることでクマからの注目を分散させることができます。
- 知識を持つ: クマの行動や生態の知識を学び、クマとの遭遇を回避するための行動や情報を把握しておきましょう。
熊撃退グッズどれが効果的?
実際にクマで実験している動画でとても参考になります。
山に入る際に持っておくと安心できるクマ撃退グッズ。揃えるポイントは…
持っておくと安心なクマ撃退グッズをまとめました
電子ホイッスルは人気です。クマを遠くに追い払うだけでなく緊急時にも息を吹き込む体力がなくても使えます。とくに山に入る方はひとつ持っていると心強いです。
人間の生活域で熊被害に遭わないために
山間部に住んでいる方の対策です。今年は住宅街にも出没してますので参考にしてみてください。
クマを寄せ付けない環境づくり
クマが通る道がある場合、対策として伐採や農作物、木の実など早めの収穫を心がけることが大切です。山間部に住んでいる方は、できれば電気柵を設置することをおすすめします。
農地を電気柵で囲み廃棄作物を放置しないようにし、クマが入れないよう鍵付きの小屋に家畜の飼料を保管します。クマに農作物を食べさせないことが重要。
また、クマは嗅覚が鋭いため臭いに誘引されます。生ゴミなどを野外に放置しないようにしましょう。クマの通り道や隠れ場所をなくし人間の活動エリアから遠ざけることが重要です。
車に乗ってる時に熊に遭遇したら
すぐにドアにロックをかけて、クマが開けられないようにしましょう。子グマが見えても母グマが近くにいて攻撃的になる可能性があります。とにかく、その場を離れましょう。
クマは追いかけるという習性があるため車でバックすると車に近づいてくる可能性があります。バックするしかない状況のときは、バックしていることが気づかれない速度でゆっくり移動しましょう。
動物の道路標識や看板が設置されている場所はクマが出没しています。意識しながら早めに回避してくださいね。
さいごに
クマに遭遇したときに慌てないことが大前提ですが、それがいちばん難しいですよね。でも知識があれば被害に遭わない行動ができます。
他人事ではなくなったクマとの遭遇。クマの目撃情報が多く、いつクマを目撃してもおかしくない状況です。クマは私たちが思っている以上に身近にいます。山に入るときはクマ被害の備えを忘れないようにしてください。