フリーランスとして働き始めるって夢と希望がいっぱい。でも、もしかしたらこんな「まさか」のトラブルに遭遇するかも…「報酬が全然振り込まれない!」「またやり直し?追加料金なしで!?」「話が違う…気づけば契約以上の仕事量に…」
じつはこれ多くのフリーランスが直面する「あるある」な悩み。これまで泣き寝入りすることもあったかもしれませんがフリーランス新法が施行された今、あなたの身を守る強い味方ができたと考えてください。
参照資料
内閣官房「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」
厚労省 公正取引委員会 フリーランス・事業者間 取引適正化等法
報酬の未払い・遅延は絶対ダメ!「60日ルール」を知っておこう

「月末締めの翌々月払い…」なんて会社員時代は当たり前だったかもしれませんがフリーランスにとって、お金が手元に入るのが遅いのは死活問題。
フリーランス新法では、あなたが成果物を納品したりサービスを終えたりしてから「60日以内のできるだけ早い日」に報酬を支払うことが発注側に義務付けられています。
つまりこんな例はNG。
- 例1:成果物を納品したのになぜか3ヶ月後じゃないと払えないと言われた
- 例2:急に会社の業績が悪いからと報酬を一方的に減らされた
- 例3:振込手数料を勝手に報酬から引かれた
これまで「発注元が大手だから大丈夫だろう」と口約束で仕事を請け負い支払いが曖昧なままトラブルになるケースも少なくありませんでした。
だからこそ新法では「書面やメールで報酬額や支払い期日を明確にすること」が義務付けられたんです。
「またやり直し?」不当な追加依頼や買いたたきから身を守る!

仕事を進める中で「やっぱりこれも追加でお願い」「前に言ったことと違うけど…やり直して」なんて言われることありますよね。これがもし当初の契約になかったり追加料金なしで強要されたら…
新法では、こんな発注側の行為は明確に禁止しています。
- 受領拒否
× 理由なく「もう必要ない」「売れなくなった」と言って成果物を受け取らない - 報酬の減額
× 振込手数料を報酬から引く
× 会社の業績が悪くなったから報酬を減らす - 返品
× 売れ残ったからという理由で返品する - 買いたたき
× 不当に安い報酬を提示する
× 納期を大幅に短くしたのに報酬は変わらない - 購入・利用強制
× 仕事を発注する代わりに物品を買わせる - 不当な経済上の利益の提供要請
× 運送の契約なのに荷物の積み下ろしもさせる
× 動画編集で使わなかったものもタダでもらう - 不当な給付内容の変更・やり直し
× 発注をキャンセルして支払いもしない
× 発注者が満足するまで何度も修正させる
「もしかして私、買いたたかれてる…?」と感じたらその直感が正しいかもしれません。
契約書の大切さ!「言った」「言わない」を防ぐために

「契約書なんて大げさかな…」そう思って口頭やチャットだけのやり取りで仕事を始めるフリーランスも少なくありません。
でもこの「曖昧な契約」がトラブルの元に。新法では「どんな仕事をするか」「いくらもらえるか」「いつまでにするか」といった基本的な内容だけでなく…
「作ったものは誰のものになるか(著作権など)」「秘密をどう守るか」「何か問題が起きた時どうするか」なども契約書(書面やデータ)で明確にすることが重要視されています。
発注側とフリーランスの間で「こうだと思っていた」「違うと思っていた」という誤解がなくなり、お互いの役割や責任がハッキリするから。
最新事例!大手出版社への勧告「法律って動いてる」

「でも、本当に法律ってフリーランスを守ってくれるの?」そう感じる人もいるかもしれません。そんな中、最近、大きなニュースがありました。
大手出版社の「小学館」と「光文社」がフリーランス新法に違反したとして公正取引委員会から勧告を受けたんです。
(令和7年6月17日)株式会社小学館に対する勧告について
(令和7年6月17日)株式会社光文社に対する勧告について
彼らはライターやカメラマンといったフリーランスに対し報酬額や支払い期日などの「取引条件」をきちんと書面やメールで伝えていなかったことが問題視され、さらに「60日以内の支払い」という義務も守られていなかったと認定されています。
これまでは口頭での発注や本が発売されてから支払うといった「業界の慣習」が当たり前だったそう。
でも新法ができてからは、そういう「昔からのやり方」は通用しないということがハッキリ示された形ですね。
この勧告は新法が施行されてから初めての事例。つまり「この法律はちゃんと機能するんだよ」「大企業でも容赦しないよ」という国からの強いメッセージ。
この事例は私たちフリーランスが自分の身を守るための大きなヒントになるはず。
今回の事例から見てもわかるようにフリーランス新法は働き方をより安全でストレスフリーなものにしてくれます。
フリーランス新法についてもっと知りたいと思ったら、まずは国が発行しているパンフレットを読んでみてください。「内閣府:フリーランス・事業者間取引適正化等法」
ただ…お役所の資料はむずかしいので実用書も一冊手元に置いておくと便利。
「60分でわかる! フリーランス法 超入門」は「辞書」のように使える本で目次を眺めるだけでも「これが私の悩み!」と気づいたり、モヤモヤした取引関係の解決のヒントが見つかるかもしれません。
トラブルを避けるための「セルフ防衛術」

契約内容は、しつこいほど確認が大事。 報酬額、納期、業務範囲、修正回数など、あいまいな部分は必ず書面やメールで確認し記録に残しましょう。
口頭での指示は必ずテキスト化! 電話で依頼された内容や会議で決まったことは必ずメールやチャットで「今日の打ち合わせ内容の確認です」と送って相手からの返信で確認をとることをオススメ。
これで「言った」「言わない」を防げます。少しでも「あれ?」と感じたら立ち止まる! 「この報酬でこの仕事量は厳しいな」「急な追加依頼だけどこれって無料なの?」といった違和感は見過ごさないで。

データで契約をやり取りする場合、フリーランスは証拠としてスクリーンショットが推奨されています。
もしトラブルに巻き込まれたら一人で抱え込まないで!

「トラブルになったらどうしよう…」と不安に感じるかもしれません。でも、一人じゃありません。
- フリーランス・トラブル110番:曖昧な契約、ハラスメント、報酬の未払いなど、フリーランス特有の問題に特化した無料相談窓口。弁護士が対応してくれるので安心。
- 労働基準監督署の新たな相談窓口:もし、実態が「労働者」と変わらないような働き方をしているのにフリーランス扱いされている場合は、こちらに相談できる可能性があります。
これらの窓口は安心してフリーランスとして活動を続けるための大切なサポート体制です。いざという時のために頭の片隅に置いておくといいですね。
さいごに:新法を味方につけて自信を持ってフリーランスへ!

フリーランス新法は私たち一人ひとりが大きな企業と「対等」に仕事ができるよう背中を押してくれる心強い味方!
今までは「弱い立場」って思われがちだったフリーランスの権利をしっかり守って公平な仕事環境を作るための土台になっているんです。
「法律のこととかむずかしそう…」って思っても大丈夫!分からないことがあれば、いつでも情報を集めたり、この記事で紹介した相談窓口に気軽に相談してみてくださいね。
この新法のおかげでフリーランスはもっと安定したものになるはずです。