職場の上司、同僚からのいじめ、嫌がらせなどパワハラ被害が後を絶たないですね。
パワハラ被害者のほとんどは我慢しながら働いているか精神的に疲れたまま退職している状況。
上司個人のストレス発散のために周囲が精神的に疲弊するのは時代遅れ。
いつまでも昭和の感覚で働いてもらっては困りますよね。
この記事では、これまでの経験を元にパワハラの定義、証拠集め、相談方法を解説します。
声を上げないと何も変わりません。
法律をうまく利用しながら加害者が最も嫌がる対処法で解決していきましょう!
パワハラの基礎知識
国が定めているパワハラの定義をおさらいしましょう。
同じ職場で働く者に対して
法律や定義ってわかりにくいですよね。噛み砕いてわかりやすく解説していきますね。
優越的な関係とは
上司から部下に対しての言動はもちろんのこと先輩から後輩へ、あるいは同僚間での言動もパワーハラスメントの対象になります。
さらに、部下から上司への逆のパワーハラスメントも存在。
職場でのコミュニケーション全般を含んでいます。
業務上必要かつ相当な範囲とは
「業務上必要かつ相当な範囲」って具体的にどんな状況を思い浮かべますか?
これは、業務を進めるために必要な、そして適切と思われる範囲のことを表しています。
従業員がどのように指示やアドバイスを受け取り、それに対してどう感じるかは、この判断基準とは別の話。
たとえば、ある従業員が特定の業務指示や管理方法に不満を感じていても、それが全体の業務遂行に必要で適切な範囲であればパワーハラスメントとは言えません。
パワーハラスメントとは、業務上必要かつ相当な範囲を超えて人格を否定するような発言や無理な業務指示などによって従業員の人格を否定したり職場の環境を悪化させる行為を指します。
業務指導だからパワハラにあたらないでしょうと思っている管理職は要注意です。
労働者の就業環境が害されるもの
身体的または精神的な苦痛があると日常の仕事に影響が出てくることがありますよね。
これは、労働者がその職場で働き続けることを難しく、さらに日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性がある状況をいいます。
職場のパワーハラスメント 6つの類型
パワハラは、6つの類型に分類されています。詳しく見ていきましょう。
身体的な攻撃
暴行・傷害
他人を殴る、蹴る、物を投げるなどの行為が含まれます。
これらは全て身体を傷つける行為で絶対にやってはいけません。
精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
精神的な攻撃とは、人を心で傷つける行為。
これには、脅しや悪口、侮辱、乱暴な言葉などがあります。
これらは、人を傷つけストレスや心配を引き起こします。
また、人の価値を否定する行為や長時間にわたる厳しい叱りも含まれます。
例えば「ミスをしたら来なくていい」といった人を落ち込ませる言葉もこれに該当。
さらに、他の人の前で強く叱ることも精神的な攻撃の一部。
特に、会議で無理に意見を押し付けたり、人を責める行為など。
人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
人間関係からの切り離しは、会社での人間関係を悪くする行為。
主な形は隔離、仲間外し、無視です。
具体的には、自分の意見に反対する部下を仕事から外すことがあります。
この行為は、部下を別の部屋に長く置いたり自宅で研修させたり職場の会話を邪魔する行為にあたります。
また、同僚全員が一人を無視することも問題。
その人は会社で孤立し、その結果、仕事のやる気や会社への信頼が低くなる可能性があります。
人間関係からの切り離しは会社全体の雰囲気を悪くし働き方を悪くする可能性があります。
過大な要求
業務上、明らかに不要なことや不可能なことの強制・仕事の妨害
不必要な仕事の強制や邪魔する行為は問題です。
また、重労働をさせるのも問題。
また、業務と関係ない個人的な用事を強制するのも良くありません。
これは、仕事とプライベートの間の境界を犯し尊厳を傷つける可能性があります。
過小な要求
合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること・仕事を与えないなど
仕事の合理性を無視して「能力や経験に合わない簡単な仕事を強制する」または「仕事を全く与えない」ことは問題です。
これは、社員が辞めるようにするためや気に入らない社員を困らせるために行われることもあります。
この行為は、その人の成長やスキルの発展を止めてしまいます。
個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること
個人の私的な領域に勝手に入る行為は、人の尊厳とプライバシーを傷つける行為です。
監視したり私物の写真を撮ったりすることはプライバシーを傷つける明らかな例。
また、人の性のことや病気、不妊治療などの個人情報を本人から許可を得ずに他の社員に話す行為も大きな違反になることがあります。
このような行為は、人の尊厳とプライバシーを守るという基本的な人権を傷つけるもので禁止されています。
代表的な事例であって、こちら以外は問題ないということではありません
パワハラ被害を受けたときの4つのステップ
- 親しい人へ相談する
- パワハラの証拠集め(音声データ、動画撮影、メール、LINE)
- 経緯や状況を時系列で記録
- 最終的にどんな解決を望むのか意向を固める
親しい人へ相談する
ひとりで抱えずに精神的な支えと、あなたを客観的に見てくれる人を作りましょう。
上司から否定され続けているとパワハラを受けている感覚が鈍感になり抵抗することを諦めてしまう可能性があります。
パワハラを放置しておくと相手はますますエスカレートして状況が悪くなるだけ。
誰かに打ち明け、孤独にならないようにしましょう。
パワハラの証拠集め
公表する・しないに関わらず証拠を記録しておきましょう。
今後、行政機関に相談する時や裁判で訴えることもあるかもしれません。
「言った・言ってない」「そんなつもりはなかった」「大げさだよ」などの状況を避けるために客観的に証明する証拠を用意しておくことをおすすめ。
- 暴言や人格否定などの音声データ、動画
- パワハラに該当するメールやLINE、チャット(スクショで残しておく)
- 医療機関を受診した場合は診断書
特に…録音、動画、メール、LINEなどの記録は強力な証拠に!メールやLINEは削除されてもいいようにスクショは必須。
経緯や状況を時系列で記録
パワハラを受けた経緯、行為、体調の変化なども記録しておきましょう。
- パワハラと気付いた日付
- 誰にいつ、何を言われたか又は強要されたか
- どんな場面か(会議中、周囲に誰もいない時、出張、移動中など)
- 「眠れない」「食欲がない」「電車に乗ると過呼吸になる」など体調の記録
最終的にどんな解決を望むか意向を固めておく
パワハラ加害者をどうしたいのか?自分はさっさと会社を辞めるのか?会社に改善してほしいのか?望む解決方法によって相談する相手が異なります。
たとえば今の状況や加害者をどうしたいにか・・・
パワハラ被害の相談窓口
解決を望む相談先は大きく会社か行政の2択でしょう。
- 社内の相談窓口先:人事、労働組合
- 国の機関:厚生労働省 都道府県労働局
パワハラの相談先は労働基準監督署ではなく労働局です。
社内の相談窓口
2022年4月「パワハラ防止法」が中小企業すべて対象になりました。
会社でハラスメント防止策はもちろんですが相談者に対しても適切な対応を取ることが法律で求められています。
会社の義務(やらないと法律違反)
改善が見られない企業は、行政指導などを経て企業名が公表されます。
社内に相談したにもかかわらず放置されたり取り合ってくれない、揉み消されたなど解決に至らない場合は、労働局に相談しましょう。
会社に相談するとややこしくなったり、これってパワハラなのか?客観的な意見が聞きたいという場合も匿名で相談もOK。
とにかくガマンだけはしないようにしてくださいね。
国の相談窓口(厚生労働省 都道府県労働局)
労働局は本人の許可なく会社に連絡したりしません。相談者の意向を重視して対応するので安心してくださいね。
労働局への相談は 無料・予約不要・秘密厳守です。専門の相談員が面談または、電話で対応してくれますよ。近くの相談窓口はこちらで確認してくださいね。
まずは、労働局に状況を話してアドバイスをもらいましょう
パワハラで体の不調やうつ病の症状が出ている
パワハラで精神的に追い込まれると不眠や食欲不振、会社に行こうとすると吐き気や頭痛などの症状が出ます。
すぐに医療機関を受診し、一刻も早く加害者から離れましょう。
うつ病は回復するまで何年もかかったり、再発したり。心が重症化する前に行動する勇気が必要です!診断書をもらって休職という方法も。
ストレスを感じて心や体の調子が悪くなる人は多いです。そのままにしておくと「うつ病」になることも。
もし興味があればメンタルヘルス管理アプリ「Awarefy」を試してみてはいかがでしょうか。
このアプリは自分の心の状態を可視化して早めに心のSOSに気づき悪化する前に対策できます。
会社と関わらないで退職したいという切実な状況の方は退職代行のガーディアンがおすすめ。
東京都の労働委員会認証の法適合の法人格を有する合同労働組合で安心。
悪徳な退職代行もあるので要注意。気になる方はチェックしてみてください。
パワハラに負けない!職場で意識すること
ハラスメントを受けた時、我慢して黙っていると相手は、ますますエスカレート。
何を言っても大丈夫と思われターゲットになってしまいます。
勇気を出して相手に自分の意思をはっきり伝えましょう。できれば周囲に聞こえるような大きな声で。
「その言い方、傷つきます」「これってパワハラですよね」など暴言や嫌味には過剰に反応すること
加害者はパワハラと認識していない人が多いです。周囲に聞こえるように言うのがポイント
周りでパワハラ被害に遭っている人がいたら放置しない
自分ではなく周りの誰かがパワハラ被害を受けていても巻き込まれたくない…と思ってしまいがち。
でも今度は自分がターゲットになるかもしれません。
以下の記事では職場のハラスメント放置リスクについて触れています。
興味のある方はチェックしてみてください。
さいごに
職場で、いじめやハラスメント被害に合っているという方は、勇気を出して誰かに苦しんでいる状況を打ち明けましょう。
助けを求めないと心身が壊れてしまいます。
ブラックリストと言われている厚生労働省と全国の労働局で公表している令和6年労働基準関係法令違反に係る公表事案です。
今の会社や転職先の参考にしてみてくださいね。