「合わない上司」
「なかなか結果が出ない」
「チームがバラバラでまとまらない」
そんな悩みを抱えていませんか。
長谷部は現役引退後、フランクフルトU21と日本代表チームのコーチに就任しましたね。
ドイツと日本の両国から高い評価を受けての抜擢でした。
彼がどのように逆境を乗り越え周囲の人々の心をつかんだのか。仕事にも活かせるヒントが隠されているはずです。
プロサッカー選手とビジネスマン。
一見、全く異なる世界に思えますが意外にも共通点がいっぱい。
長谷部コーチが実践した自身を高める思考とチームを成長させるリーダーシップについて本人のエピソードとともに紹介します。
長谷部コーチの思考法やリーダーシップ論から悩み解決のヒントが見つかれば幸いです。
環境の変化に対応する!マルチスキルを身につける
長谷部コーチは日本代表、浦和レッズ、ボルフスブルク、ニュルンベルク、フランクフルトと多くのチームを経験。
彼が40歳まで現役を続けられたのは学び続ける姿勢、向上心、マルチスキル、そしてチームでの自分の役割を理解する力があったからです。
長谷部コーチのように変化に対応するためには状況をしっかりと見極め柔軟に対応できるマルチスキルが重要。この視点はビジネスの世界でも同じ。
部署異動や役割変更、上司変更など環境の変化は避けられません。
さらに市場の変化、顧客の要望、競合の動きなどビジネスの状況も常に変化。
AIの進化により仕事の内容や必要なスキルが大きく変わる中、単一の専門スキルだけでなく複数のスキルが求められる「マルチスキル」の時代が到来しています。
挫折から這い上がる!逆境をバネにするメンタリティ
長谷部コーチのキャリアは多くの困難と挫折に溢れていました。
控え選手としての葛藤、悔しさ、焦燥感。試合に出場できないときの精神的な苦痛は想像以上に大きいでしょう。
試合に出られないという事実だけでなく自己の能力を十分に発揮できないというフラストレーションや自分がいないピッチでチームメイトが活躍しているという悔しさと無力感。
自分ではどうすることもできない状況で長谷部コーチはどうやって前を見ることができたのでしょうか。
ヴォルフスブルクでマガと監督に干された彼が雑誌のインタビューに当時の心境を語っています。
「投げやりにならず一人でも走り込みをしたりいい準備をしました。運を引き寄せると信じ耐えました。
それは一番苦しい時間でしたが今では一番貴重な時間だったと思います。
年齢が27〜28歳という選手としての絶好の時期でメンタル的にも厳しかったです。これはどんなタイトルを獲るよりも大きな出来事でした。」
ふて腐れたり投げ出したりしないで「チャンスが来た時にしっかりやる」と冷静に耐えた長谷部コーチ。
いつ試合に出られるか分からない中で練習に全力を尽くす。その理由はいつでも試合に出場できるコンディションを保つため。
未来を信じて諦めなかった。ビジネスでも挫折や失敗は避けられない。諦めないことはビジネススキルの一つと言えるかもしれません。
チャンスは準備されたものに訪れる!成功を掴むための習慣
2023シーズン、フランクフルトで長谷部コーチの出場機会が次第に減少。
それでも彼がピッチに立つときにはいつも高いクオリティと安定性を保ったプレーを見せてくれました。
いつ試合に出てもいいように練習と体調管理に励み試合感覚が鈍ることはありません。
これは彼のプロフェッショナルな姿勢とサッカーへの熱い情熱から生まれるものでしょう。
彼は自分が衰えたり鈍くなることを許しませんでした。
長谷部コーチの姿勢はビジネスでの挫折や失敗に直面したときにも参考になります。
「自分が衰えることを許さない」「若い世代にまだまだ負けない」
立ち向かい乗り越えるのが彼の姿勢。
どんな状況でも冷静さを保つ!メンタルコントロール術
南アフリカワールドカップのパラグアイ戦。PKで敗北が決まった瞬間、本田選手はうずくまり長友選手は顔を歪め、ほかの選手は呆然としていました。
そんな中、長谷部コーチはすっと立ち上がり表情を変えずにゴールキーパーのところへ歩み寄ります。
そのときの理由について彼は次のように語っています。
もちろん勝ちたいと願ってはいたけれど「入れられて負けたら仕方ない」と考えていたのかもしれない。
これは、「失敗するかもしれない」という弱気な発言ではありません。
むしろ何が起ころうとも受け止める覚悟の表れ。決意を固めて試合に臨んだのでしょう。
だからこそチームメイトの悔しさや悲しみもすべて受け止めることができたのです。
部下が最近、目を合わせてくれない…距離を置かれている?と感じている方はこちらをご覧ください
リーダーシップの本質は個人と組織の成功を両立させること
彼の良さはチームが困難な状況のときに際立ちます。問題を解決することを重視しながらプレーするからです。
攻撃的な選手がいるとき彼はカウンターを待ち、ほかの選手が疲れたときには他人の分まで走ってカバーします。自己表現よりも組織の成功を優先。
どの指揮官からも必要とされていた理由の一つなのかもしれません。こんな人がピッチにいてくれたら監督は心強いですよね。
長谷部コーチに対して「もっと攻撃的にプレーしてほしい」「自分を抑えて苦しくないの?」という意見が多くありました。
彼はメディアのインタビューで「自分自身を変えること」と「自分を無理に抑え込むこと」は全く違うと話しています。
焦らず我慢して継続すれば、いつか「組織の成功」と「自分の成功」が一致する。
それを目指しているのであれば、組織のために自分のプレーを変えることは自分を殺すことではなくなる。
チームの穴を分析し誰よりも早くその穴を埋めていく。そうすれば誰もが気がついてくれるわけじゃないけれど必ず見てくれる人はいる。
見えない「穴」を補いチームを円滑に動かす役割を選ぶ。
これは企業組織にも共通しますよね。リーダーはメンバーの強弱を理解し不足部分を補いチームのパフォーマンスを向上させます。
犠牲ではなく自己を成長させること。
彼にとってリーダーの役割はチームの勝利を確実にすること。
ピッチ上で環境を整えたり必要な場所をカバーしたり落ち込んでいる選手を鼓舞する。
すべては勝利のため。これが真のリーダーの証。良い時に目立つリーダーは多いですが彼は違いました。
次のステージへ!キャリア転換の成功事例
長谷部コーチは現役引退を決断して新たな挑戦をスタートさせています。
現役終盤の長谷部コーチは大きなファウルが目立つように。
これはスピード不足。相手より遅れてボールに触れるか足に触れてしまう結果。
周囲が少しの遅れと感じても彼はそんな自分を許せなかったのでしょう。
出場機会が減少し出場しても貢献できないと感じたことが引退を近づけたのではと推測。
長谷部コーチを見ているとセカンドキャリアは決してネガティブなものではなく、むしろキャリアの継続。
彼の見事なキャリアプランニングですね。
さいごに
長谷部コーチが実践した変化を成功へと導く過程をご紹介しました。
単なる理論ではなく実際のフィールドで起こった出来事ばかり。長谷部コーチが実践した軌跡が自身が直面する課題解決への糸口をみつけてくれたら嬉しいです。
ちょっと笑える話で締めくくります。
2021-22シーズンでフランクフルトがヨーロッパ大会で優勝し鎌田選手と一緒にメディア露出の機会が増えました。
そのときの長谷部選手の表情からは心から喜びを感じているように見えませんでした。彼は主力として試合に出場していません。
彼の負けず嫌いが発動。
負けず嫌いって実は、とても重要なビジネススキルかもしれない。
契約更新の会見で現役を続ける理由を聞かれた際、彼は「ヨーロッパ大会での出場時間が短かったから」と回答。
その言葉には悔しさを残したまま引退できないという強い思いが込められていました。
長谷部コーチがベンチにいるサッカー日本代表。期待したいですね!