職場の上司に自分だけ透明人間のように扱われる状態。耐えている日々は本当に苦しいですよね。
危害を加えないで精神的に追い込んでいく陰湿ないじめ。
無視という行為は無言の虐待。証拠を残さず周囲に気づかれないようにターゲットを排除して疎外感を味わせる。
残念ですが、このような状況で悩んでいる方がたくさんいるのも事実。前職でたくさんの問題を扱ってきました。
この記事では
このような悩みに対しての対処法を解説しています。一刻も早く今の状態から抜け出しましょう。
こちらの記事は、職場の上司から自分だけ被害を受けているという点に絞っています。
ほかの環境でも重なる部分がありますので興味のある方はチェックしてみてください。
部下と目が合わない、無視されているという管理職の方はこちらの記事をご覧ください。
はじめに「モラハラ」と「パワハラ」の違いを整理
パワハラは職場や仕事相手に限定。
パワハラの精神的な攻撃(脅迫・屈辱)言葉や文章、態度など表に見える行為。
モラハラは家庭や交友関係も含み範囲が広い。
無視する行為は表に見えにくいため無言のいじめ。無視や空気扱いなど物理的な暴力行為ではない陰湿ないじめや嫌がらせ。精神面で相手を追い詰める行為。
モラハラとは
引用元 厚生労働省 こころの耳ポータルサイト
言葉や態度、身振りや文書などによって働く人間の人格や尊厳を傷つけたり肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることをいいます。
パワハラと同様に、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。
パワハラとは
引用元 厚生労働省ポータルサイト
身体的な攻撃(暴行・傷害)、精神的な攻撃(脅迫・侮辱)、人間関係からの切り離し、過大な要求(遂行不可能な業務の強制)、過少な要求(能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を与える)、個の侵害(私的なことに過度に立ち入る)
パワハラは罰則があり浸透しているけどモラハラは目に見えない暴力を対象としているから周囲から見えにくい。
証拠(動画・音声)が残らないので悩んでいる人が何もできない状況。
モラハラの法的な対応はないの?
大企業には2020年6月から、中小企業は2022年4月からハラスメント防止対策が義務付けられました。
がモラハラは目に見えない暴力を対象としているため法制化が進んでなくて実質、放置されているのが現状です。
離婚裁判などでモラハラが原因だった…などよく出てきますが法律で罰することができないのです。
無視する人・される人の特徴
無視や無言のいじめをする人やターゲットになりやすい人の特徴を把握しておきましょう。
もし今、被害にあっている方は自分や上司が当てはまるかチェックしてみてください。
自信過剰で自己愛が強く、自分が他の人よりも優位に立つことを強く求めるタイプ。
無視や優位に立つ効果を強めるために「無視をする人」と「可愛がる人」を決めて見せつけるような行動をします。ドラマみたいな話ですがこんな人いますよね。
ターゲットになりやすい人は自分に自信がなく謙虚。
よい面を持っている人ですが、それが裏目に出てしまい「自分の意見を言えないやつ」と思われモラハラの被害者になりやすい。
このような人は「自分は相手が不機嫌になるようなことをしたかも?」と相手が陰湿な手段を使っていることを疑わない。
自分が相手を不機嫌にさせた原因があるのだと罪悪感を覚えしまうタイプ。
上司が無視や空気扱いする理由
上司が部下を無視する行為の理由は…
「俺がいちばん偉いということをわかっているか?」ということだけです。
「おまえは俺に従わなくてはいけない立場なのに、それができなかった。
それなら徹底的に排除してやる」という考え。無視という行為は手っ取り早くできますし排除してやるという心理と権力が同時にできるので、もってこいの手段。
つまり「あなたが一番偉い」ということを態度や言葉で示していかない限り上司はいつまでも満たされないまま。
実話-上司のプライドをへし折った日常会話
人事部長のA氏は会社で一目置かれる存在。
仕事に自信があり権限ももっていることから周囲に威圧的な態度を取っても誰も逆らえない。
ある時、他部署で優秀な社員Bさんを人事部に異動させ自分の部下し俺が育ててやると意気込んでいた。周囲から見てもお気に入りの様子。
翌日から人事部長A氏はBさんに対して「透明人間扱い」するなどの陰湿ないじめや無視が始まりました。
この会話の何が陰湿ないじめの原因になったの?意味不明なんだけど…
幼稚すぎて呆れる理由だったの
人事部長A氏がいじめ行為の理由
最終的にA氏は人事部長という人事権限を利用して数名の社員へのセクハラ行為が発覚。数々の証拠を労働組合に提出されクビになり去っていったそうです。
こちらの実話では、人事部長A氏は、たまたま去っていきましたが、このような幼稚で宇宙人のような上司に対してどう対処していけばいいのかを見ていきましょう。
上司から無視や空気扱いされている時の対処法7選
対処法・選択肢
- 無視されている状況を細かく記録しておく
- 無視されないように頑張らない
- 無視に無視をするなど同じ土俵に立たない
- 関係修復を望むなら「尊敬+感謝」のセット
- 業務に支障が生じたら上司の上司または人事に相談する
- 解決する希望がもてないなら会社を辞める(転職準備)
- 外部、行政機関(労働局)に相談
詳しく見ていきましょう。
①無視されている状況を細かく記録しておく
音声や動画を記録しておくことはできませんがモラハラの状況を細かくメモしてください。
何もしないより日記のような記録を残してください。後でいじめ記録として役に立ちます。
②無視されないように頑張らない
他人から無視されたときに無視されないように頑張らないこと。
無視されると真面目な人に限って自分の何が間違っているのかを考えたり無視されないように相手の顔色をうかがったりしがち。
そうすると相手の思うツボです。味をしめてさらにエスカレートしていきます。
直属の上司に無視されると「この世の終わり」のような気持ちになります。宇宙人相手に頑張らないと思いましょう。
③無視に無視をするなど同じ土俵に立たない
無視する上司は、ターゲットの部下が落ち込んでいたり弱々しい態度に満足します。
自分も無視してやりたい気持ちはわかりますが、それでは同類になってしまいます。
悔しいですが普段と変わりなく振る舞い無視されてもニッコリ笑顔で挨拶してやればいいです。
心の中で「あなたは可哀想な人種」と思い裏で対処法を練りましょう。
④関係修復を望むなら「尊敬+感謝」のセット
残念ながら相手は変わりません。
あまりおすすめしたくありませんが、すぐに退職はできないという方は解決するまでの短期間だけ上司を立てる言動を増やしていく。
「○◯さんのお陰で出来ました」など。
とにかく「私はあなたが素晴らしいことはよくわかっています。尊敬しています」というメッセージを増やしていく。
こういうタイプは「尊敬+感謝」のセットが大好物。
無視される前段階から少しずつ「最近上司と話をしていない」「なんか自分だけ何も言われない」と思った時も効果的。
すでに近くで上司に媚びている人がいたら組織で生き残るために必死なのでしょう。
⑤業務に支障が生じたら上司の上司または人事に相談する
加害者の上司がうまく立ち回る可能性があります。このような宇宙人を放置している会社が焦る相談のコツを紹介します。
ストレスが深刻な場合、そのままにしておくと「うつ病」になることも。
もし興味があればメンタルヘルス管理アプリ「Awarefy」を試してみてはいかがでしょうか。
このアプリは自分の心の状態を可視化して早めに心のSOSに気づき悪化する前に対策できます。
公式サイトで詳細を見る揉み消されない相談のコツ
労働局に相談があった場合、本人から実名出しOKの承諾が得ると会社がパワハラや安全配慮義務違反に該当するか調査に入ります。
「名前を出したくない」という場合でもランダムに企業調査していますという形で会社に臨検に入りますので心配なく。
会社は職務上、対応せざるを得ません。目に見える証拠がない場合でも、会社に「放置すると外部に相談に行くかもしれない厄介だから早く解決しよう」と思わせる。
目に見えない陰湿ないじめの対応は会社は簡単に動きません。
安全配慮義務ってなに?
安全配慮義務とは従業員が安全・健康に働けるようにする会社の配慮義務です。
(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
引用元 労働契約法
ハラスメントや、いじめによる従業員のうつ病などを防止するため、会社にはいじめ防止対策義務が課せられてます。
安全配慮義務に違反した場合でも、特別な罰則はありません。
でも、違反して労働に関するトラブルが生じると多額の損害賠償を求められる可能性があります。
メディア(ニュース記事)に出ると企業イメージが下がり信用を失い大きなダメージに。
⑥解決する希望がもてないなら会社を辞める
解決するにしても長期戦になります。転職エージェントに登録して、どんな仕事があるか求人を見るだけでも落ち着いてきます。
すぐに行動を起こさなくても「他に行くところがある」という安心感に救われることも。
今、置かれている狭い環境で考えるからよけい切迫してしまいます。
会社を辞めようか悩んでいる方は
会社辞めたほうがいいサインや前兆は?退職を決心する6つのポイントをご覧ください
⑦行政機関(労働局)に相談
「会社が何も対応してくれない」「いじめの事実を表に出したい」「心身に影響して通院しているため損害賠償を請求したい」など黙って会社を辞めたくない場合は行政機関(労働局)に相談することをおすすめ。
労働者から相談を受けて会社に不正がある場合、業務改善命令や行政指導をおこないます。言うことを守らないと企業名と内容を公表。
労働局が間に入って和解に向けて話し合い行います。なにより行政機関が入っているというだけでも心強い。
よく他の記事で労働局(労働者側の問題解決)と労働基準監督署(企業の労働基準法に違反していないかを取り締まる)は役割が違うため相談内容によって相談先が違うという記事を見ます。
相談内容には、様々なことが混在している場合が多いため、まずは労働局の相談窓口をおすすめします。
「労働局」と「労働基準監督署」は厚生労働省の同じ所轄で中で密に連携。
労働局が相談者の話を聞いたうえで内容を精査しそれぞれ管轄の対応に入ります。
つまり、相談内容は双方で共有しているということ。
都道府県別の労働局(相談窓口一覧)はこちら
同僚や先輩、後輩から無視されて悩んでいる方はこちらの記事をご覧ください。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
悩んで心身を壊す前に無視する人間から離れる行動を起こしませんか。
離れるとは、自分が退職や異動希望を申し出るだけではなく問題の上司を飛ばすことも含みます。
この記事が少しでも今の辛い状況から解放されるヒントになりますように。