移住や二拠点暮らしのキラキラした情報は溢れているけれどリアルな地方暮らしってどうなんだろう。
できるだけ失敗や後悔なく移住を進められたらいいですよね。人間関係など“いざ生活してみないとわからない”ことに比べ移住先で車が必須になってくることはリサーチ段階である程度わかることでもあるはず。
実は『リサーチ不足(準備不足)』で後悔する人や離脱する人が多い移住
この記事では
✔︎地方暮らしを考え始めた
✔︎移住先の決め方を知りたい
✔︎移住前に調べておくこと
をお伝えします。
移住先の人気ランキング地域は参考にはなるけど合うかどうかは別問題。自分や家族が快適に暮らせる移住にするために必要な事前準備を解説します。
わたしは東北の山奥で育ち、地方都市や大都市に移り住み2年前に地元に戻り一人暮らしをしています。さまざまな土地で暮らした経験も踏まえこれから移住生活を始める方の参考になれば幸いです。
地方移住へ向けて最初にやること
本題に入る前に移住に何を求めるのか軸を明確にしましょう。
移住後の「自分が・家族が望む暮らし」をしっかりイメージしないと情報収集の軸がぶれたり「こんなはずじゃなかった!」が多くなり挫折してしまうからです。ここが移住の大きな軸になります。
それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。
移住の目的を明確にする。
こちらは、最終ゴールのようなもの。
例えば「起業して定年がない仕事をする」「田舎で農業をしながら自然に囲まれて暮らす」「小さなお庭のある一軒家で野菜を育てながらネコと暮らす」など望む暮らしを言語化しておきます。
この先、さまざまな情報に触れていく中で軸がブレないようにしておくためです。
最初の1年間の「暮らし」「生計」プランを立てる
初年度の「生計」プランを立てておくことをおすすめします。なぜ初年度かというと、なんでもそうですが初年度がいちばんキツイからです。
思い通りにいかないことの方が多く挫折してしまいます。
少し先の目標がみえていると生活や気持ちが不安定になっても「今は準備期間…」とあせらずに乗り切ることができます。
ゆずれない条件3つ書き出す
本当にゆずれない条件を3つまで。希望が多いと、移住が遠のいてしまいます。
例えば…
車を所有しないので「スーパーや病院が近くにある」「徒歩、自転車、バスで行動できるエリア」にするのか。
海、山、どちらも望むのか
「マリンスポーツが趣味だから海が近くにあること」「キャンプが趣味だから山が多い土地。」「雪が降らない土地」など…
これだけでもだいぶ候補地は絞れてきます。
望みを叶える候補地をリストアップ
ここでいよいよ具体的に「候補地」をリストアップしていきます。このあと「移住先選びのポイント」や「判断基準」を説明し絞っていきますので、まずは自由にいくつか候補地を選んでくださいね。
移住先選びのポイント
それでは、それぞれの理由を説明していきます。
初めから山奥の一軒家は避ける
山奥の古民家は、自分でDIYか多額の改修費用が必要な場合が多いです。固定資産税も高額。
虫が多く、冬は寒い。
雪や雨で山道が通行止めになることも少なくありません。また、スーパーや病院も遠く生活が安定しません。
都会暮らしから、いきなり山奥の古民家で暮らすにはハードルが高すぎて挫折する方が多いのも事実。地方暮らしに慣れている方、または慣れてから検討してみることをおすすめします。
移住者が多い地域を選ぶ
じつは地方の集落ほど、新しい人を受け入れるまで時間がかかります。どこから来たのか?何をやっていた人なのか?
信頼関係ができると、とことん面倒をみてくれますが、それまで孤独です。できるなら、最初は先輩移住者がいる地域がおすすめです。
移住者の受け入れ体制が整っている
移住者が多い地域は移住支援制度が手厚い。
移住後も相談できる環境がある
先輩移住者が新生活を支えてくれる。
移住先での横のつながりが広がる
移住仲間で交流することが多い。
地元住民との架け橋にもなってくれて早く地域に馴染める。
現地に足を運ぶ
もちろん現地に行かれると思いますが、ここで重要なことは気候が良い季節に見学し、定住先を決定してしまうことです。
後悔しないために次の行動をおすすめします。地域の移住イベントはマイナスな情報を少なくプラス情報を多く発信しますから。
移住者を増やしたい自治体が多いから仕方ないですよね。イベントに参加する目的はネットワーク作りと割り切ることも。だからこそリアルなマイナス情報は自分で取りにいかなければなりません。
会社を辞めないで地方に関わることから始めたい方はこちらの記事をチェックしてみてください。
事前に調べること7選
ここでは、事前に調べておくことを説明していきます!
気候、自然環境
地球温暖化の影響で、寒かった地方が暖かくなったり、雪が降らない地域に降ったり、これまでの概念が崩れていますね。
日本海側と太平洋側の気候の特性や、同じ県内でも沿岸部、山沿い、平野でも大きく異なります。候補地で理想の暮らしができるよう調べておきましょう。
災害リスク
災害リスクは、移住先を決めるうえで大きな判断基準のひとつになります。何らかの災害が起こるにしても地震、水害、台風、土砂災害、洪水、河川の氾濫など過去にどのような災害が発生しているか事前に調べておきましょう。
地方の市街地に住んでいて大きな水害を経験しました。興味のある方はこちらの記事をチェックしてみてください。
最近は住宅地にもクマが出没しています。地方では避けられないクマ対策についてまとめた記事です。
行政の情報もチェック
交通アクセス
地方では中心部から離れると移動には車が必須です。車を持つ予定がない方はバスや電車などの交通事情を把握しておく必要があります。雪国では、冬は自転車に乗れないので足がありません。
仕事やプライベートで遠方に行く機会が多い方は、空港や高速インターが近いと便利ですね
物価から生活費の目安を把握する
- 家賃相場、駐車場料金、最低賃金から地域の物価を知る
- 上下水道代(地域によって大きく違います!)
- 冬の暖房代(寒い地方は要注意)
- 車の維持費
- スーパーの食材の値段
住む場所によりますが、季節によっても生活費が大きく変わります。地方は安く生活できると思っている方はリフォーム代、冬の暖房費車を所有される方は維持費が膨らむため注意が必要です。
仕事の探し方
移住前の仕事を継続する方以外は移住先で仕事を探すことになります。起業したい方は、自治体の起業支援、助成金制度を調べておく。
地元で就職希望の方は、地域のハローワーク求人で探すのが得策です。フリーランスやリモートワーク希望の方は移住前から準備しておくと新生活にスムーズに入れます。
地域の特性・治安
風習や文化が自分に合うかどうかは長く住んでみないとわかりません。どうしても合わない時のために初めは家を購入しないで賃貸物件を選ぶことをおすすめします。現地の過去の出来事やニュースサイトで治安も調べておきましょう。
行政の取り組み未来予測
政府がデジタル田園都市国家構想の戦略として地方移住者「年間1万人」を提示しました。人口不足の地方自治体は、ますます支援策を手厚く打ち出してくるでしょう。
移住先が気に入れば、老後も過ごすことになります。ここから先の人生を託す地域の行政が
どのような取り組みを行っているのか、将来…高齢になったときにどのような暮らしがイメージできるのか?行政の本気度や最新情報をキャッチしておかないとですね。
地方移住のメリット・デメリット
私の実体験から感じたメリット・デメリットです。
移住者がプチ起業している方が多くおしゃれなパン屋、カフェ、雑貨店が多いです
地方移住して「がっかりしたこと」
実際に地方に住んでみて驚いたことをまとめました。
- TV地上波 民放局が少ない
- 車がないと買い物に行けない。求人も「運転免許必須」の条件が多い。
- 下水道代やプロパンガスの公共料金が高い!
- 中心部は雪が積もらないと聞いていたけど、過去にない豪雪だった。
- 冬は、雪で道がない。自分が歩く道は自分で作る精神で!
- 冬の暖房費は通常の倍になる。電気毛布がないと寒くて眠れない。
笑ったことも紹介します!
- CMや番宣で芸能人が県名を言ってくれるバージョンがある
- 家と車のCMやチラシが多く、連休は、やたら車、住宅フェアを開催している。
- 駅周辺のカフェは高齢者の公民館になっている
- 除雪用のスコップや雪ベラのコレクションしているおじいさんが近所に住んでいる。
さいごに
不安なことが多い移住です。
慎重になりすぎても進まないので必要最低限の範囲で深くリサーチをおこない後は、暮らしながら生活を整えていくことをおすすめします。
キャンプや海遊び、四季の変化が日常にある暮らしを味わっていただきたいです!