「最近、働き方のルールが大きく変わろうとしている」という話、耳にしたことはありますか?
今、私たちの働き方の土台である「労働基準法」が約40年ぶりに大改正される可能性がありビジネス界隈で大きな注目を集めているんです。
「法律って難しそう…」「自分には関係ないかな?」そう思った方もいるかもしれません。ですがこれは給料や休日、プライベートの時間に直接関わるとっても重要な話。
今回は法律が苦手な方でもスラスラ読めるように特に重要なポイントを絞って分かりやすく解説します。自分の働き方を見直すきっかけにしてみてくださいね。

参考資料:厚生労働省「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」「労働時間制度等に関する実態調査結果について(速報値)」「労働基準関係法制研究会報告書」
【2026年改正案】これから変わる!働き方の重要アップデート7選

2023年に厚生労働省が開いた「新しい時代の働き方に関する研究会」をご存じですか? この研究会では労働基準法をどう変えていくべきか働き方改革をどう進めるべきかが話し合われました。
さらに2025年1月8日、その議論の成果がまとまった「労働基準関係法制研究会報告書」が発表されました。
まだ法律として決まったわけではありませんがこれからの「働き方」がどう変わっていくのかそのヒントがぎっしり詰まった内容になっています。
厚生労働省の専門家チームが提案している「未来のルール案」から現代の働き方に合わせたアップデートを紹介します。
① 14日以上の連続勤務が禁止に 🗓️
これまでは会社の就業規則次第で理論上は最大48日間も休みなく働かせることが可能でした。これはどう考えても異常な状態。
今後は「どんなに繁忙期でも連続勤務は13日まで」という上限が設けられる見込み。心身の健康を守るための明確なセーフティネットができます。
②「法定休日」の明確化で、給与トラブルを防止
週1回の「法定休日」がいつなのか事前に会社が定めることが義務化。これまでは曖昧なケースも多く休日出勤手当の計算でトラブルになることも。
「うちの会社の法定休日は日曜日」とはっきり決まることで休日出勤時の割増賃金(1.35倍)が正しく計算されるようになります。給与明細のチェックもしやすくなりますね。
③「勤務間11時間インターバル」が義務化へ
これが今回の改正案の目玉の一つ。夜11時まで残業したら翌朝の始業は10時以降にしなければならない。
終業から次の始業までに一定の休息時間(原則11時間)を確保する仕組み。努力義務だったものが今後は原則「義務化」される方向です。
深夜残業の翌朝、寝不足のまま出社…という非効率な働き方から解放されるかもしれません。
④ 有休を取って給料が減る「不公平」を解消
有休取得日の賃金計算方法によっては時給制や日給制の人が有休を取ると普段より給料が減ってしまうケースがありました。
今後は、原則として「普段通り働いた場合の通常の賃金」で支払う方式が基本に。誰もが不利益を気にせず安心して有休を取得できる環境が整います。
⑤「つながらない権利」で休日を守る
休日や深夜に鳴り響く上司や同僚からのチャット通知…。これでは休んだ気がしませんよね。この問題に対応するのが「つながらない権利」です。
会社に対し「業務時間外の連絡に関するルール」を定めるよう促すガイドラインが作られます。プライベートと仕事の境界線を引くための重要な一歩ですね。
⑥ 副業・兼業のハードルが下がる?
これまで副業をしている場合の残業代計算は本業と副業の労働時間を通算する必要がありとても複雑でした。これが企業が副業を容認しにくい一因にも。
この「労働時間の通算ルール」を残業代計算においては適用しない方向で検討されています。これにより企業側が副業を許可するハードルが下がり、より多様なキャリア形成が可能になるかもしれません。
⑦ 労働時間は「週40時間」に完全統一へ
これまで一部の小規模事業所では「週44時間」が上限の特例がありましたがこの特例は廃止される見込みです。業種や規模にかかわらず「週40時間」が基本となりより公平なルールへと変わります。
【知識の再確認】もう始まっている「働き方改革」の基本

皆さんの働きやすい環境づくりのためすでにいくつかのルールは変わっています。「そういえば…」と思い当たるものがあるか知識をアップデートしておきましょう。
① 月60h超の残業代、割増率が上がったのは知ってた?
月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が大企業だけでなく中小企業も含め一律で「50%以上」に引き上げられました。
会社側は「長時間残業はコスト増に直結する」ため労働時間削減へのインセンティブがより強く働いています。
②「年5日の有休取得」は会社の義務
「周りが忙しそうで有休を申請しづらい…」と感じる必要はありません。年10日以上の有給休暇が付与される従業員に対し会社が年に5日、時季を指定して取得させることが義務化されています。
もちろん5日以上取得していれば問題ありません。
③ フレックスタイム制などがより柔軟に
働く時間を調整できる「フレックスタイム制」の清算期間が最長3か月に延長。「先月は多めに働いたから今月は少し早く帰ろう」といった月またぎの調整がしやすくなりました。
また成果で評価される専門職向けの「裁量労働制」も対象が広がり多様な働き方が認められつつあります。
さいごに:正しい知識で自分のキャリアと生活を守ろう

労働基準法の改正は単なるルールの変更ではありません。私たちの働き方をより安全で公平で持続可能なものへと進化させるための重要な変化です。
勤務間インターバルの義務化や「つながらない権利」などこれからの改正は生活の質(QOL)とキャリアプランに大きな影響を与えます。
これからの時代を働く私たちが意識すべきこと
今回、紹介した内容をぜひ今後の働き方を見直すきっかけにしてみてください。
