「いつかは田舎でゆっくりと暮らしたいけど本当にうまくいくのかな…」地方移住に憧れを持つ一方で不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
自然豊かな環境での生活は魅力的ですが実際に移住してみると「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も。
この記事では私自身の「田舎暮らし」「都会生活」そして「地方へのUターン」という3つの経験を踏まえ地方移住で後悔しないために「事前に知っておくこと」や「確認ポイント」を具体的にお伝えします。
地方移住の理想と現実をしっかりと理解し後悔のない移住を叶えてください。
なぜ地方移住で後悔する人がいるのか?

地方移住に興味を持つ人は多いものの「失敗したらどうしよう」「理想と違ったらどうしよう」といった不安はつきもの。
地域の情報を十分に知らないまま移住すると予想外の課題に直面し「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうことがあります。地方移住で後悔や失敗を感じる主な理由を見ていきましょう。
移住前に確認すべき7つのチェックポイント

移住後に「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないためには移住前の徹底的なリサーチが不可欠 。必ず確認しておきたい7つの重要なポイントをまとめました。
- 気候・自然環境:理想の暮らしと現実のギャップを埋める
- 交通アクセス:車なしの生活は可能か
- 生活コスト:本当に安く暮らせる?費用の内訳を解説
- 仕事探し:移住後の収入源を確保するための具体的ステップ
- 地域の人間関係:新たな繋がりを築くための心得
- 医療・福祉:安心して暮らせる地域か
- 行政の支援制度:移住者向けのサポートを最大限に活用
実際の移住生活で経験した「困りごと」からピックアップしていますのでぜひ参考にしてください!
気候・自然環境:理想の暮らしと現実のギャップを埋める
「夏は涼しいはず」と思って移住したのに実際は冬はとても寒いうえ雪かきに追われるといった経験は珍しくありません。
同じ県内でも場所によって気候は大きく異なるため1年を通しての気温、降水量、降雪量をしっかりと調べることが重要です。例えば過去の気象データを確認したり気象庁のウェブサイトで移住候補地の情報をチェックしてみましょう。
併せてその地域で過去に発生した災害を確認しハザードマップで危険な場所を把握しておくことも忘れないでください。国土交通省のハザードマップポータルサイトなどを活用しましょう。移住を考えている場所に春夏秋冬の各季節に実際に訪れてみることをおすすめ。とくに以下の点には注意が必要です!
最近は地方の住宅街にもクマが出没!地方では避けられないクマ対策も必須。
交通アクセス:車なしの生活は可能か
地方は電車やバスなどの公共交通機関が少ないのが現実 。「車の運転はしないけど大丈夫」と思っていても実際に住んでみると日常生活で困ることが多いです。以下の点を具体的に確認しましょう。
地方では自家用車が生活必需品となる場合が多いことを念頭に置いておきましょう。公共交通機関の少なさや不便さはベビーカーを利用する人や高齢者の移動にとって大きな課題となることもあります。
生活コスト:本当に安く暮らせる?費用の内訳を解説
「地方は都会より生活費が安い」と思われがちですが実際はそうとは限りません。むしろ光熱費などが高くなる可能性も。費用の内訳をしっかりと確認しましょう。
基本的な生活費
季節ごとの出費
その他の費用
とくに注意が必要な費用を把握し具体的な生活費をシミュレーションしてみることが大切。地域の不動産業者や移住相談窓口で家賃相場や光熱費の目安などを聞いてみましょう。
仕事探し:移住後の収入源を確保するための具体的ステップ
移住する前に現在の仕事を辞めてしまうのはリスクが高いです。新しい土地でスムーズに仕事が見つからないと生活が困窮してしまう可能性も。 移住前にしっかりと仕事探しの準備をしましょう。
- 移住先の仕事を事前に徹底的に探す:求人サイトだけでなくハローワークのインターネットサービスで移住希望地の求人情報を細かくチェック。
- 地域の主な産業を調べる:移住先の産業構造を理解することで将来的な仕事の可能性が見えてきます。
- 自治体の移住支援制度を確認する:移住者向けの「就職支援金制度」や「地域の人材バンク」などを活用。
- リモートワークの可能性を探る:現在の仕事がリモートワーク可能であれば移住後も収入を維持できるため安心。移住先のインターネット環境(回線速度や安定性)を事前に必ず確認。
- 起業を考えている場合:地域にどのようなお店やサービスが不足しているかを調査しニーズを把握。自治体の起業支援制度(補助金や融資制度、相談窓口など)も積極的に利用。
移住前に地方就職に詳しい転職エージェントを活用して仕事情報を収集したりリモートワークで地方企業の働き方体験もおすすめ。
地域の人間関係:新たな繋がりを築くための心得
地方移住で最も後悔する理由の一つが地域の人間関係です。地方は都市部と比べて人付き合いが密接で自治会や地域の行事への参加が求められる傾向があります。新しい地域にスムーズに溶け込むために以下の点を心がけましょう。
具体的な地域との関わり方
地域に溶け込むには時間がかかることを理解し焦らず積極的に地域活動に参加していくことが良好な人間関係を築くための第一歩!
医療・福祉:安心して暮らせる地域か
高齢者の方や持病のある方は引っ越し先の病院や介護サービスについて事前にしっかりと調べることが重要です。
近くに病院や診療所がいくつあるか。どのような診療科目があるかを確認。大きな総合病院があるかどうかも確認しておきましょう。手術や入院が必要になった場合に備えて総合病院の有無やアクセス方法を知っておくと安心。
高齢者向けの介護施設やサービス(デイサービス、訪問介護など)があるかどうかも確認。地域包括支援センターなどに問い合わせて情報を得るのが良いでしょう。
さらに救急医療体制がどのようになっているか(救急病院の所在地、救急車の到着時間など)も把握しておくとをおすすめします。持病がある場合は、移住先の医療機関で継続的な治療が可能かどうかを事前に確認しておくことが不可欠。
行政の支援制度:移住者向けのサポートを最大限に活用
多くの自治体では移住者を積極的に受け入れるために様々な支援制度を設けています。移住支援金や住宅に関する補助金など利用できる制度がないか確認しましょう。
便利なポータルサイトとして「ニッポン移住・交流ナビ」や「縁結び大学」などがあります。これらのサイトでは「土地の特徴」「移住者の体験談」「仕事や住まい探し」「移住支援金」など移住に必要な情報が一元的に掲載。
各自治体のウェブサイトでも独自の移住支援制度を紹介している場合があるので移住を検討している自治体の情報を細かくチェック。
移住を成功させるための心構えと具体的な行動

地方移住を検討するときまずは自分自身の内面をじっくりと見つめ直すことが大切。「どんな暮らしがしたいのか」「なぜ今の場所から移住したいと思ったのか」「地方での新しい生活に何を期待しているのか」といった根本的な問いかけに時間をかけて向き合ってみてください。表面的な憧れだけでなく本当に自分に合った選択ができるようになります。
新しい土地では天気や習慣、ご近所さんとの付き合い方など思いがけない発見や驚きがあるかもしれません。ゆっくりとマイペースで自分らしい暮らしを作っていきましょう。
地域の皆さんとの触れ合いも楽しみの一つ。お祭りやイベントに参加してみると自然と新しい出会いが生まれてこの土地での暮らしがもっと楽しくなるかもしれません。
新しい土地での生活をスムーズにスタートするために交通の便、病院の場所、買い物スポットなど日々の生活に関わることをチェックしておくと安心です。完璧な環境を求めすぎずゆったりと新生活を始めていけたらいいですね。
体験談から学ぶ!地方移住で後悔しないためのヒント

私自身、地方出身で都会で暮らしその後、地元に戻るというUターン移住を経験。この経験から強く感じたのは地方暮らしの理想と現実の違いをしっかりと理解することが何よりも大切だということ。
都会の便利さに慣れている人は地方での暮らしに不便さを感じることが多い。その不便さの中にもきれいな自然や地域の人々との温かいつながりといった都会では決して味わえない素晴らしい魅力があります。
地方暮らしを成功させるためには3つのことが重要だと感じています。
- できるだけ多くの情報を集める: インターネットや移住相談窓口を活用し移住先の気候、交通、生活費、仕事、コミュニティなどあらゆる情報を徹底的に収集。
- 実際に現地を訪れる: 短期間でも良いので移住候補地に滞在し生活環境や雰囲気を肌で感じてみる。
- 地域の人々と積極的に交流: 移住体験ツアーや交流イベントなどに参加し地元の人と直接話すことで地域のリアルな情報を得る。
いきなり田舎に移住することに不安がある場合は最初は地方都市に住んでみるのも一つ。段階を踏むことで自身に合った地方暮らしを無理なく見つけていくことができるでしょう。
【2025年最新】地方移住に関するトレンド情報

2025年の地方移住に向けて準備しておくと良いポイントや注目すべき支援制度についてまとめました!
移住先の人気ランキング
宝島社が発行する2025年版 第13回「住みたい田舎ベストランキング」のトップ5は以下の通り。
- 静岡県:温暖な気候と東京へのアクセスの良さが人気
- 山梨県:自然が豊かで首都圏からの近さが魅力
- 長野県:豊かな自然環境と高原の過ごしやすさ
- 新潟県:雪国文化と食文化の魅力
- 広島県:都市機能と自然環境のバランスの良さ
ちなみに「住みたい田舎ベストランキング」では移住者増の人気地として茨城県境町が1位に選ばれました!
移住支援制度の手厚さ自治体ランキング
移住支援制度の手厚さで注目されている自治体としては、以下のような例があります
【住まい】
【子育て】
デジタル田園都市国家構想と地方移住の未来
2025年の地方移住を支える重要な政策として「デジタル田園都市国家構想」があります。この構想はデジタル技術を活用して地方の課題を解決し誰もが便利で豊かな生活を送れるようにすることを目指しています。
この構想は主に4つの柱が中心
- 地方に仕事をつくる
- 人の流れをつくる
- 結婚・出産・子育ての希望をかなえる
- 魅力的な地域をつくる
これらの政策を通じてデジタル技術を活用しながら地方の魅力を高めより多くの人々が地方に移住できるよう支援が進められています!
移住意向に関する最新調査
「2025年の人々の住み方に関する調査」によると…多くの人(70.2%)が東京や周辺県(埼玉、千葉、神奈川)での就労を希望。経済的なサポートがあれば65.3%の人が地方での生活を検討すると回答しています。
とくに年収が301万円から500万円程度の人々が地方での生活に関心を持っているようです。地方暮らしの魅力としては以下の3点が挙げられています。
地方移住の変化:高まる関心と政府の支援策
依然として東京圏への人口集中は続いていますが地方で暮らすことへの関心は着実に高まっています。内閣府の調査によると2020年から2023年の間に地方移住に関心のある人の割合は30.2%から35.1%に増加し20代の若者では39.2%から44.8%へと大幅に上昇しています。

ふるさと回帰支援センターへの相談件数も増加。2024年には過去最高の61,720件に。とくに子育て支援が充実している地域では人口が増加する成功例も。

政府は地方創生移住支援事業の一環として東京圏の大学生が卒業時に地方へUIJターン就職する際の交通費補助(2024年度開始)や移転費支援(2025年度開始予定)を実施。
今後は地方移住は個人の自由な選択として尊重しながら移住した人々が地域社会と良好な関係を築けるような政策を進めていく方針。テレワークの普及で「場所を問わない働き方」が可能になり都市と地方を行き来する二拠点生活も増えています。
地方都市だけでなく農村や山村への移住も注目されとくに東京圏在住の20代の35%が地方移住に関心を持っています。
まとめ:自分らしい地方移住を実現しよう

地方移住は新しいライフスタイルの選択肢の一つ。デジタル化とテレワークの進歩でより自由な場所で自分らしい暮らし方を実現できる機会が広がっています。
移住を成功させるためのポイントは安定した仕事を見つけること。事前の徹底的な準備です。政府や自治体の移住支援制度も充実してきて以前に比べて移住へのハードルは低くなっています。
もちろん交通の便や医療機関、教育機関など都会とは異なる環境に慣れる必要はありますがこれらの違いをしっかりと理解し事前に準備をすれば自身の夢や希望に合わせて自分にぴったりの暮らし方を選べる時代。
丁寧に準備をして新生活をスタートすれば素敵な暮らしが待っています!

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